「フローライト」


置き去りのままで針は進んでく

暗がりのなか選ばれる時を待って

軋む心の巡る速度に

言葉はいつも追いつけないままだった


掠れた声で叫び続けてる

淡い光が指し示す影を追って

その輝きが見たくもない

未来ばかりを照らしたとしても


満たされたフリでいつも笑いながら

失くすことばかり恐れて

ずっと言えないでいる本当のことも

抱えたままで過ぎていくけど


疲れた足で歩き続けてる

眩しい光に目の前遮られて

その輝きが知りたくもない

世界ばかりを曝したとしても


大事なものばかり増えていくけど

この手にはなにもなくて

ただ降り注ぐ光の向こう側へ

その先になにが見えた今


繋いでた手も解けてしまうけれど

その光に手を伸ばして

まだ癒えない傷のこの痛みさえも

抱えたままで明日へ