「モノラルクローム」


風に舞う白い雪を

指先で摘んでポケットにしまった

すぐ消えてしまうものを

欲しがる自分に黒いため息


もう二度とは戻らない日々を

何度も棒に振って

それでもなお 片手で数える位で

精一杯なんだ


追いかけても 追いかけても

掴めはしない 儚いもの

明日ひとつを見失って

君に会いたいな


永遠という大げさに

騙されたままここまで歩いて

「いつか」や「また」の言葉で

麻痺した自分に嫌気がさした


約束と優しさと嘘が

いくつも混ざり合って

灰色の雨になって降り注ぐから

重いよ 痛いよ


ねぇ どこにも行かないで

僕だけ見てよ息もせずに

白と黒の想いがまた

揺らいだ 揺らいだ


追いかけても 追いかけても

掴めはしない 儚いもの

明日ひとつを見失っても

君に会いたいよ