「夜の虹を架ける」


改札の前 いつもの場所で

またねと手を振り合いながら

見送る背中 振り向く刹那 

もう会いたくなった


絡まったイヤホン ほどけずに諦めて

ため息白く染まった 帰り道の途中で


手を伸ばせばもう 触れられそうな

誰も居ない冬空の下で

きみに放つよ 雨上がりの夜に ほら

虹を架けるように


あやまる癖も 震える声も

棘のある強がりな言葉も

それすら全て ただの個性と

抱きしめて言えるよ


切り過ぎた前髪 手のひらで隠して

少し恥ずかしそうに 笑ってる君の横で


嬉しかったことも 楽しかったことも

全部 きみに話したくなるな

想像つくよ きみが自分のことのように

喜んでくれるとこ


不安や迷いや 怒りや憎しみや

生きていくってことは いつも寂しいから

飲み込まれないように 終わりが来ないように

僕らはまた 次の約束を繰り返していく


手を伸ばせばもう 触れられそうな

誰も居ない冬空の下で

きみに放つよ 雨上がりの夜に いま

虹を架けるように